内容紹介
奥深い山峡に広がる田舎町。美しい渓流の底には、まるで水鏡に映したような「もうひとつの世界」が広がっている――。主人公の澪(みお)は、東京在住のカメラ女子。毎年夏になると、生まれ育ったこの町にひとりで帰郷している。高二の夏休み、いつものように旧友たちと川遊びを楽しんだ澪は、ふとしたきっかけで幼馴染の航平(こうへい)の秘密を知ってしまう。それはやがて、ふたりと「世界」を揺るがす大事件へと発展して……。
レビュー1
5/52023/04/23 牛兵衛
夏の光が眩しくて川の水は冷たくて、主人公が飛び込む川の音や幼なじみが竿をふる音まで聞こえてきそう。主人公と一緒に感覚まるごと物語に入ったような気持ちになった。 主人公が最高。友だちになりたい。 登場人物たちも脇役一人一人まで自然で、本当に日本のどこかにいそう。 不思議で、主人公の明るさに思わず笑ってしまって、切なくて少し泣いてしまう物語だった。